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ウイスキーでつくるカクテル
19世紀以前、ウイスキーは、アイルランドやスコットランドの地酒にすぎませんでした。そうした時代、ウイスキーは、ストレートで飲むのが当たり前のこととされていましたが、なかには牛乳で割って飲む人もいたようでした。おそらく、これがウイスキー・カクテルの始まりと見ていいでしょう。
19世紀に入ると、アメリカでバーボンの生産が始まります。やがて、アメリカ東部で、このバーボンにオレンジ・キュラソーを加えたフルーティで甘口の飲みものが、「ウイスキー・ファンシー・カクテル」として人気を博すようになります。
その後多くの人々の手から、たくさんのウイスキー・カクテルが生み出され、いま私たちは、いろいろなかたちのウイスキー・カクテルを楽しめる豊饒な時代の中にいるのです。
ウイスキー・カクテルの楽しみ方
ウイスキーは、樽熟成によってその個性を確立する蒸溜酒です。
その樽熟成の個性は、ジュース割りにすると損なわれることが多々あります。だから、ウイスキーは、ジュース割りには向きません。その点が、ジンやウォッカなどのホワイト・スピリッツと根本的に異なる点です。(しかし、ジュースの他に材料を加え、バランスをとった、おいしいウィスキーカクテルもあります)
ウイスキー・カクテルの中でも、ウイスキーにリキュールを加えただけのものは、食後向けに開発されたカクテルです。「ゴッドファーザー」などがこのタイプのカクテルです。
その他の甘酸味をもった味わいのカクテルは、食前、食後どちらにも向くし、食事と関係なく飲む場合にも適しています。
ウイスキー・カクテルのレシピ
ジョン・コリンズ
バーボン・ウイスキー | 45ml |
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レモンジュース | 20ml |
砂糖 | 20ml |
ソーダ | 適量 |
レモンスライス | 1枚 |
マラスキーノ・チェリー | 1個 |
ロンドンの名バーテンダー、ジョン・コリンズが考案したと言われるこのカクテルは、ベースがジンならトム・コリンズ、バーボンならカーネル・コリンズ、ラムならペドロ・コリンズなどバリエーションも豊か。レモン・ジュースの酸味が爽やかなカクテルです。
ソーダ以外の材料をシェイクして、コリンズ・グラスに注ぎます。氷を入れ、冷やしたソーダでグラスを満たし、軽くステアします。グラスのふちにレモンスライスとマラスキーノ・チェリーを飾ります。
ゴッドファーザー
ウィスキー | 45ml |
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ディサローノ・アマレット | 15ml |
1972年、F・コッポラ監督の映画「ゴッドファーザー」が公開され、それからほどなくして、ニューヨークで生まれたのがこのカクテル。
つくり方は簡単、氷を入れたロック・グラスに注ぎステアしてください。二つの材料だけで、ビシっと味を決まります。そのいさぎよさが飲む人の心を打ちます。文句なしの傑作カクテル。
ウィスキー・ミルク・パンチ
ウイスキー(バーボン) | 45ml |
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ミルク | 120ml |
シュガーシロップ | 2tsp |
簡単にいうと“ウイスキーのミルク割り”といったところでしょうか。アメリカで昔から楽しまれているカクテルと言われ、ミルクのコクが、ウイスキーの香りと味わいをまろやかに仕上げてくれる一杯です。好みでナツメグをふっていただいても◎。
材料をシェイクし、氷を入れたグラスに注ぎます。
マンハッタン
ウィスキー(ライ・ウィスキー) | 45ml |
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スイート・ベルモット | 15ml |
アロマティック・ビターズ | 1dash |
マラスキーノ・チェリー | 1個 |
「カクテルの女王」とも言われる1杯。落ち着いた色合いやウイスキーの香りが都会をイメージさせますが、その歴史は古く、アメリカ開拓時代に負傷したガンマンの気付け用に作られたという説や、19世紀にニューヨークのマンハッタン・クラブでのパーティーで、故チャーチルの母親が作ったという説などがあるほど。
ベースのウイスキーはライ・ウイスキーが基本です。ミキシング・グラスに氷とウイスキー、スイート・ベルモット、アロマティック・ビターズを入れてステアし、カクテル・グラスに注ぎ、カクテル・ピンにさしたマラスキーノ・チェリーを沈めます。